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アクロイヤー・マグネパワーズマッドネス 「汚れた水」

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序章 アクロトピア新秩序

今回はマグネパワーズ及びレッドパワーズのアクロイヤー玩具に付いていろいろと書き、アクロイヤーの謎、90年代ミクロマン世界の秘密について、探ってみたく思う次第であります押忍ッ!

Invaders Must Die!!

昭和のアクロイヤーは公害により汚染された環境で単純変化したミクロマンで、地球上に悪の世界、アクロトピアを築くべく、侵略活動を行います。

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ミクロマンとはまた一風変わった畸形的でクールなデザイン、組み換えや変形によるプレイバリューの高さなど、ある意味ではミクロマン以上にインパクトがあったもんです。

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昭和コミック版は当時の怪獣映画ブームの影響が色濃く反映され、巨大化して街や石油コンビナートをぶっ壊し、人間を大量に踏み潰し、ふっとばす大活躍(?)で、強烈な印象を残します。

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しかし連載後期には、なぜか突然宇宙戦争展開に!

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地球で誕生したはずのアクロイヤーに、いつのまにか「宇宙の仲間」がおり、しかも宇宙には総統より偉い「アクロ大帝」なんてのがいたりと、現在の目で見るとどうなってんのよ。と言いたくなる展開ですが、この頃は宇宙戦艦ヤマトやスターウォーズブームの影響で、こういうのが流行ってたのであります。

他のアニメでも、「本格海洋ドラマ」としてスタートした「宇宙空母ブルーノア」が最後には結局宇宙に行っちゃったり、「ザ☆ウルトラマン」が終盤やっぱり宇宙戦争になっちゃったり、「太陽の使者 鉄人28号」が終盤宇宙戦争になっちゃったりと、当時は割合よくあることでした。

昭和のアクロイヤーはミクロマンの亜種であり、ミクロマンが洗脳する事で、ミクロマンの仲間にもなる種族(ソースは玩具カタログ)だったのですが、ニューミクロマン時期のアクロイヤーはアクアムーン(アクロムーン)から来たアクロ星人とされ、完全に「謎の悪性宇宙人」という設定になりました。以降、ミクロアースはアクロイヤーによって破壊され、脱出したミクロマンが地球に到来する。というパターンが確立し、平成のマグネパワーズもそれを踏襲する世界観の物語となります。

もはや「アクロトピア建設」という目標はどっかに行ってしまい、星ブッ壊したる!という、ゴリゴリの不良宇宙人がアクロイヤーという事になってしまいました。

第一章 悪魔のアクロイヤー

99年に復活したマグネパワーズでは最初にアクロイヤー・デモンシリーズが商品化。

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デモンの綴り間違え反省。

マグネパワーズのデモンアクロイヤーは、アクロ大帝アンゴルモアの尖兵として登場。ミクロアースをシメた後、地球を狙ってオラオラしに来ます。

デモンレッド、デモングリーン、デモンブルー
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当初は昭和をモチーフとしない方向でデザインの発注が来ていたそうなのですが、後にコテコテの昭和モチーフで行く。という路線の変更があり、デモンシリーズが誕生。

モチーフとなった昭和アクロイヤーの色が赤、青、銀だったのに対し、デモンアクロイヤーはRGB、つまり光の三原色となっていますが、実はこの三色、ニューミクロマン時期のニューアクロイヤー三体の色だったりします。

明らかに初代を連想させるデザインを採用しながら、裏側ではニューミクロマンの記号をこっそりとブッ込む。マグネパワーズはこういうのが大量にあるので最初から怖すぎます

※その他、イベント限定などで、イエロー、ピンク、パープル、ブラック、クリアといったバリアントも作成されます。

フィギュアは両手が可動したり腰が回ったりと、主役のマグネパワーズミクロマンよりも優秀な可動を備えており、発売当初から非常に評価が高く、評価が分かれたマグネパワーズミクロマン素体よりもある意味好評でした。

ただ割れやすい

組み換えで両手を鉄球にするのが当時流行った遊びなんですけど、現在それやろうとするとマジでクリアパーツが砕けるかもしれないので、オススメできかねます。

初期版は背中の5ミリ穴がアクロモンスターのジョイントにはまらなかったりしており、途中から素材も含めて改修が行われております。

アクロイヤー・チェンジトルーパーズコブラーゴクピンェーンスパイダー
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ヘビ、クモ、アリジゴクに変形するアクロイヤー!3体の名前はしりとりになっています。

アニメでのキャラは声優千葉繁氏の暴走演技や、子供の友達を欲しがる謎のキャラ付け、ごぜぇます喋りなど、非常にイキイキ描写され、ある意味忘れられない名物軍団となりましたが、残念ながらオモチャの方はキモチ悪さが過ぎたのか、大変売れ残りました。非常に楽しいんですけどねぇ・・・

初期マグネアクロイヤー軍団!
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アクロボットマンも含め、最初からアクロイヤー商品も非常に充実!昭和ミクロがこれくらいアクロイヤー商品を揃えるまでには何年掛かった事やら・・・

日本のオモチャらしからぬ、かなりキモチ悪い軍団。正直アクロイヤー商品は売れ行きがキビしく、小売店的にこのへんの在庫処分が後々までかなりキツかったのは事実。

第二章 アンゴルモア・アーデン

スーパーミクロマン時期には、アクロイヤー、アーデンが発売されます。

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パープルちゃんのシークレットブレストがでかすぎ反省。

アニメ版ではアーデンもアンゴルモアの手先ですが、内心ではアンゴルモアに対抗し、自分たちが宇宙を支配しようと考えていました。こういう「腹にイチモツ」を持っている辺り、第三勢力として存在する立ち位置、本来のアーデンらしさが表現されていると思います。

アーデンダーク、アーデンフレイム、アーデンパープル
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カラーリングは黒、橙、紫ですが、これは熱量を表していると思われます。

アニメでのアーデンには予言者であるパープルも登場し、いよいよタカラSFランド最終決戦、ノストラダムスの大予言との戦いが本格的になります。フレイムは世界を焼き尽くす炎を、ダークは熱量が失われた後の暗黒を表し、世界の破滅のイメージが投影されているのではないでしょうか。


※イベント限定では青いアーデンクールが登場。これも熱量に関わっていますな。

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玩具には剣や背中のウィングが付属し、バイクへのモードチェンジなどもあり、プレイバリューがますますアップ!壊れにくくなりカッコいいとモンクなし!金メッキがボロボロにハゲる以外はパーフェクトな仕上がりですね。

バイクモードも悪くない。
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アクロイヤーの華、パープルちゃん。
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右のパープルちゃんは当ブログ名物の新パープルちゃんであります。

紫というのは高位の僧侶のみに着用が許される色。アンゴルモアの巫女にはピッタリと言えますな。

どう見ても昭和アクロイヤー2なデザインなのに、どういうわけかアーデンになってしまった謎については、こちらの考察をご参照くだされたし。

デモンアクロイヤーはアニメでもコミックでも全滅してしまうのですが、なぜかアクロイヤーCTは残留し、パープルちゃんの手下となります。

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パープルちゃんの予言はインチキなんですが、それを実現させるため、後から三馬鹿がいろいろやらされるハメに。このアングルは面白いですな。

アクロイヤー商品が妙に充実する流れはスーパー期でも健在!

アクロイヤー・ゼンマイン カブターボ、ピラニトロン
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カブターボはイノシシみたいなツラで付属パーツはどう見てもクワガタ。どこがカブトやねん。

ただでさえ売れ残りがちなゼンマインで、さらに狙い不明のこいつらも大変に余り、小売店的には以下略。

パーツはミクロマンやアクロイヤーの追加装備になります。
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アクロイヤーをサカナのヒレやクワガタで強化するっていうネタは、実は昭和のコミック版が元ネタです。

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そしてついに、最終兵器ジャイアントアクロイヤーも登場!

アクロアルファ、ガンマ、ベータ
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ジャイアントも、これでもか!というくらいに超プレイバリューを持つ、ドあきれた商品でした。

いいのか?と思えるほど、アクロ商品は多彩で充実。

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ジャイアントアクロイヤーに憑依したアンゴルモアをついに倒し、アンゴルモア三部作の完結編、アニメ版マグネパワーズは終了します。

実はマンガ版はアンゴルモアのアの字も登場せず、アーデンフレイムがアクロイヤー軍団の最高司令官でした。最終回ではフレイムが歴史を改竄するべく過去に飛び、それを追ってマグネパワーズも姿を消します。

第三章 出オチ総統 

マグパ終了直後にレッドパワーズが始まり、待望の総統アクロイヤーが登場!

レッドパワーズ玩具カタログ
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新総統は旧玩具と関わらない、別のコンセプトでデザインされております。ブレストの形状や、名称に血液に関する言語が配されている所から、「心臓」をモチーフとしていると思われます。心臓原種か?

いよいよ総統だ、スゲーッ!っとテンションが上がるのもつかの間、玩具カタログでは登場した次のコマで、ビートルーパーズ(未発売)の一撃でマップタツに!!

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ホゲーッ!!弱ぇ~ッ!!

地球に逃げ延びた2枚の総統のヒラキは、地球で人間が開発していたレッドジウムをカッパラい、その力で二体の総統として再生!

総統アクロイヤー、冷血総統ジギルス、流血総統ハイドル
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「・・・助かったぞ・・・」
「2つの身体に別れたが、前よりも強いぞ!」

残念ながら説得力のカケラもありません。こうして私の中で、こいつらには出オチ総統のレッテルがペタリと貼られます。

玩具は半身がメカニック、半身が生命であり、組み換えで完全体になる予定だったのですが・・・

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ヘッドのクリアパーツが分離できないので、組み換えでは不完全版にしかなりません。

レッパ中期には、最終ボスと言えるゼノンとシャドウが登場!

凶血総統ゼノン
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名前のモチーフは漫画「デビルマン」の、悪魔王ゼノンからでしょうか。

デモンアクロイヤー→コスモサタンアーデン→悪魔王ゼノンというわけですな。

こんどこそ最強アクロイヤー登場!?と思ったんですけど、ゼノンはジギルス、ハイドルのおやじです。

これまで俺様最強!とか言ってイキりまくってたヤツが、もっと強ェーぞ!とか言ってオヤジ連れてお礼参りに来る流れ。皆さん、これ聞いてドラゴンボールのアレを思い出したりしませんか?

というわけで、どーにも私はゼノンにフリーザのオヤジ臭を感じてしまい、出オチ総統のレッテルはいよいよ決定的となりました。

マシンアクロイヤー・シャドウ(未所持)
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※画像はooku氏のサイトより

シャドウは総統の能力をコピーした量産機(?)。

なんだよ、よーするにゼノンの余りパーツじゃね~の?金型都合の数合わせか?とか思ってしまうところでありますが、実は頭部が全メッキなので、ジギルス・ハイドル組み替え総統の完全版を作る際には、パーツ取りに使えるのでありました。

レッドパワーズは商品展開がみるみる寂しくなり、アクロイヤーも4体の総統のみ。だが我々にはこれがある!

アクロイヤー・新サイボーグ部隊
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いやぁ、カンペキですね。レッパはもともと流用玩具ばかりの商品展開だったので、これはこれでアリじゃないでしょうか。

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レッパ後期はアニメもマンガ連載も無く、玩具付属のコミックのみでストーリーが展開。ミクロロケットベース付属のコミックでゼノンが倒され、平成ミクロマンは完結を迎えます。

第四章 うつろい、漂う世界

さて、ここから本題。一度アクロから離れます。

マグネパワーズって、マンガあり、アニメあり、ボンボン誌面掲載の玩具グラビアストーリーありと、スタートから3つの物語が同時進行し、しかもその3つはゼンゼン別の世界の話になっています。

で、どの物語がマスターピースなのか?というと、やはり多くの目に触れ、決定的な人気と知名度を持つアニメ版、という意見が多数でしょうが、識者やマニアが多数関わり、旧玩具や誰も知らないような未発売玩具までドバドバ登場させ、コッソリと重要設定もブチ込んで、誌面記事の名を借りた悪ノリ乱交パーティーのようだったボンボングラビアストーリーも、

(資料提供:ooku氏)
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※ミクロアースが24個あった!という衝撃の設定。右下画像には、公表すらされなかった昭和試作マグネミクロマンが(怖)

アンゴルモアとは関わらずにミクロ対アクロの図式を堅持し、レッドパワーズの正統主力媒体となるはずだったコミック版も、どれも魅力的に思われます。

また、以前から私が勝手推理をしているように、玩具に秘められた記号から読み解く、全く別の物語も含まれているように思えるのです。

そしてマグネとレッド、いわゆる「平成ミクロマン」の取り扱いには、旧来からのファンはかなり困ってました。

新しいミクロは、必ずや昭和時代のミクロを正式に継承する物になるはずだ!という期待を持って臨んだのに、どうもそれがうまくハマらなかったからです。

アニメ版にも、重要キャラクターとして昭和テレマガコミックの主人公、片貝あきらが登場したり、昭和ミクロやフードマン、ニューミクロとの関連を示唆するようなシーンが盛り込まれましたが、それはあくまで散発的で、「ファンサービス」の域を出るものではありませんでした。

また、ファンサイトによる文献検証、歴史統合作業でも、平成ミクロは上記のように世界観が分散しているために位置付けが難しく、苦労させられる状況が現在も続いています。

第五章 1999年 グッドラック地球

そもそも、平成ミクロをどうこう言う以前に、初代ミクロとニューミクロの歴史を統合しようとする際の大問題として、「グッドラック地球問題」というのがあるのですが。

水木一郎/グッドラック地球

「ミクロマン物語 ミクロアースのすべて」
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初出はコミックボンボン1983年12月号に掲載の絵物語であり、構想にはテレマガコミックス版の作者である、森藤よしひろ氏も参加

氏が長年暖めていた、αH7展開の決着の構想を元に書き起こされた物語なのですが、その内容は衝撃的です。

1999年、地球はαH7元素の到来により全人類がミクロ化。ミクロマンは人類をミクロ都市に保護し、平和な社会が到来する。数千年の後、繁栄した地球はいつしかミクロアースと呼ばれるようになる。しかしアクロムーンより来たアクロ星人との星間戦争が勃発し、長い戦いの末、アクロ星人はミクロアースより異次元発生装置を盗み出して異次元に逃走。アロム、イリア、ウルリ、エイジ、オルガ、カムイ、キルク、クレオ、ケンジ、コロナの10人が追跡隊に選抜され、ミクロアースを離れるが、直後にアクロ星人の残した時限爆弾によってミクロアースは爆発、消滅。故郷を失った10人のミクロマンは、復讐を誓って宇宙を彷徨う。(要約)

つまり、(初期)ニューミクロマンは、超未来、地球滅亡後の話だったというわけ。

これは正史ではなく、雑誌の一記事に過ぎない。などと、簡単にスルーできないわけですよ。なにしろミスター昭和ミクロマン、森藤氏キモ入りの企画であります。

しかしこれを公式として認めちゃうと、前期ニューミクロマン(強化スーツやバイオスーツ)と、後期ニューミクロマン(ミクロチェンジ)の間ですら、整合性が取れなくなります。ミクロマンの物語を一本に統合しようという作業にとっては、大変な障害です。まぁ、「異次元」というキーワードはありますが。

Eat Static/Parallel World


「片貝あきら」を中心に、初代ミクロと平成ミクロを直線上の時間軸で繋ぐと、ニューミクロマンを無視する必要がありますし、1999年に到来するのはαH7ではなくアンゴルモアなので、昭和ミクロ側の歴史を改竄する必要も生じます。

「グッドラック地球」を採択してニューミクロと平成を繋げようとする(2つの地球説)と、今度は「片貝あきら」の存在が怪しくなり、昭和コミックとは同名の別人とする必要が生じます。

こういった平成ミクロという存在の不都合さ、やっかいさは、旧作世界のどんなささいな要素も、一つとして無視できない旧作ファンを困惑させます。アニメの無かったミクロマンには、パンフレットのささいな文章、雑誌のささやかな記述のひとつひとつが、宝石のように大切なのです。

こうして「ミクロ者」の間では、平成ミクロは長い間ブラックボックスとなります。

様々なメディアで何度も目にし、よく知っているコンテンツのハズなのに、マグネパワーズはこれだ!という実体、全体像は不定形に変質し、把握できません。

どれでもあり、どれでもない。これが平成ミクロの(暫定的な)総体と言えます。

では、マグネパワーズとはそもそも、旧作と正式に関わる事をスッパリあきらめ、「旧作の端々をツマミ食いした独立作品」として作られたていたのか?というと、決してそうではなく、互いに矛盾し、複雑に錯綜する、いくつものミクロマン世界や、他作品世界、海外作品世界まで、全てを統合するマスターピースとなるべく、精密かつ入念かつクソマジメに設定、製作されていたと思います。要するに∀ミクロマンです。

アクロイヤーとは何なのか。また、ミクロマンとは、何なのか。

という、世界の根幹に関わる秘密に対して、90年代の「平成ミクロマン」は、統一的な回答を示しているのです。

根拠示せ根拠。

と言われると思いますので挙げますが、ヒントは平成ミクロに登場するミクロマンの協力者、子供達にあると考えられます。

第六章 ミクロの子供達

※ここからの分析は毎度おなじみのキチガイじみたオカルト領域ですので、覚悟してお読み下さい。

マグネパワーズでは、コミック版、アニメ版ともに三人の子供達がミクロマンに協力します。

久磁耕平(中央)、久磁裕太(右)、水沢麻美(左)
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アニメ版とは徹底的に差別化するよう指定されていたと推測される(ミクロマンの推定年齢から、素顔、性格、エジソンの口癖まで違う)コミック版でも、この三人は共通して登場しています。

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注目すべきは三人の名前です。マグネパワーズは命名に異常なほどの法則性、規則性を持つため、子供たちの名前にも、重要な意味が含まれているはずなのです。

「久磁」という名前は一見して「永久磁石」から引っ張られているように思えますが、それは一面に過ぎません。アナグラムで解読してみます。

「久磁耕平(くじこうへい)」を、漢字ごとに逆から読むと、「久(へいこうじきゅう)」、つまり、「平行時空(へいこうじくう)」となります。

・・・ムリヤリですか?では、弟の裕太くんはどうでしょう。

久磁裕太(くじゆうた)を逆から読み、「じ」を一文字加えると、「太じ裕磁久(たじゆうじきゅう)」、つまり、「多重時空(たじゅうじくう)」となります。

二人の名前には、マグネパワーズ世界にはいくつもの世界が同時に存在する事、それが互いに関わりあう事が、最初から示唆されているわけです。

コワいですね。寒気がします。←カゼひいてるせいです

マグネパワーズが、マンガ、グラビア、アニメ、玩具内記号と、別の物語を同時に進行させていたのは意図的であり、実はそれこそが、分断された多くの世界を最終的に統合するための、唯一の方法だったとは言えないでしょうか。

そして、GBで発売予定だった「ユーボーグ戦記」、またはレッドパワーズで統合される玩具、誌面展開において、新旧世界を全て一本の物語として収束させる。これが秘密結社タカラ文芸部の壮大な計画だったのかもしれません。

実際、公式が多世界解釈を用いて異なる世界を一本の物語上に統合しようとする試みは、後に新世紀のハズブロやタカラが、トランスフォーマー・ユニバースキスぷれで行います。

結局レッドパワーズがコケ、「ユーボーグ戦記」も発売できず・・・と、壮大な計画の完成を我々が目にする事はついに叶いませんでした。






おわり


ちょっとまて~い!!
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ごまかすな!麻美ちゃんはどうなの!

と皆さんお考えですよね。こちらの名前には、使用されている文字に、重要な意味が持たされています。

水沢麻美(みずさわまみ)

「みず」、「さわ」、どちらの文字も水(Water)に関わっています。また、「まみ」に「ず」を加えると、「まみず」となります。つまり、きれいな水です。

第七章 きれいな水、汚れた水

麻美の名前が水を現しているのは、そりゃ偶然っつーか、特別な意味なんてあるのか?と思われるでしょうが、実はレッドパワーズの文芸設定で、その重要度が決定的になります。

レッドパワーズの5人の子供
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アーサー → 浅海真悟 (あさみしんご)
イサム → 池波はるか (いけなみはるか)
ウォルト → 浦沢大輔 (うらさわだいすけ)
エジソン → 江島智 (えじまさとる)
オーディーン → 沖田クリスティ-ン (おきたくりすてぃーん)


子供達の名前はア行のカナ並び順で、顔もパートナーとなるミクロマンに似ています。そしてもう一つ、何か重要な事に気付きませんでしょうか。

浅海、池波、浦沢、江島、沖田。全ての名前は水に関わっていますレッドパワーズの設定において、ミクロマンと水が決定的に関わる事が示唆されているのです。

新旧タカラ玩具の歴史をマグネ・レッドに合わせ、「多世界解釈」、「水」というキーワードで解読すると、90年代のCG、アニメ両ビーストウォーズ、ミクロマンを共通の世界観で括る事ができます。

おおざっぱに記すと、ミクロマン(TF、人類含む)は、「きれいな水」によって守られ、「汚れた水」に汚染されて変化したのがアクロイヤーなのです。

以前の記事で書いたように、ビーストウォーズ・ムーンはアクロイヤーであるという自説は、それに基づきます。

和製ビーストウォーズにおけるアンゴルモアエネルギーとは、非常に不安定で危険ですが、善にも悪にもなるエネルギーであり、それ自体は意志を持ちません。

それが悪の意志によって汚染されたため、ガイア人(地球人)はガイア=地球を放棄せざるを得なくなります。そして、地球を完全破壊する。という、汚れた目的のため、月を兵器として改造し、その制御システムとして、ムーンとアルテミスを作りました。

つまり、母星を離れる際の地球人たちは、汚れた水によって汚染され、半ばアクロイヤー化しており、ムーンもアルテミスも、アクロテクノロジーによって作られた、アクロイヤーウェポン・アクロムーンの一部だったわけです。


ミクロマンは「水」に運ばれてやって来ます。

1976年、あきらは「海岸」で「水晶」(水晶は古来「水の化石」とされていました)を拾い、
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1999年、「川」で耕平、裕太、麻美を見出し、
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2015年、子供たちとミクロマンは再び「川」で出会います
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伝説のミクロマン、イッスーン。
一寸法師(スクナヒコ)は、水の流れに乗って人間界へとやって来ます。
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一方、アクロイヤーは「月」より来ます。

アクロ2の見た目とアーデンの名前を持つ「アンゴルモア・アーデン」は、アニメで衛星兵器アクロムーンを使用。
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アクロムーンはアンゴルモアの、CGビーストの月はヴォックの、セカンドの月はガイア人の作った、惑星破壊兵器です。

月は汚染され、その中に悪意を孕みます。

終章 汚れた水、悪意の月  

アクロイヤーを巡る謎の一つに、「アクア・アクロムーン問題」というのがあるのですが、


ニューミクロマンに登場するアクロ星人の母星が、玩具パンフレットでは「アクアムーン」だったのに対し、他の媒体では「アクロムーン」と記述されている。という問題です。

これはフツウに考えてパンフレットの誤植の可能性が高いんですけど、上述のように「水」を象徴としてアクロイヤーの成立を解釈すると、「アクアムーン」が汚染された結果、「アクロムーン」となった。という解釈が可能になります。

「水」という象徴は海や川の水、エネルゴン(クォンタム・サージ)、アンゴルモアエネルギー、αH7元素へと転籍し、それを汚染する「公害」という存在は、アンゴルモア、ユニクロン、ヴォック、星間帝王などへと転籍し、それぞれの物語を共通の構造で結び付けます。

「汚れた水」が凝固して、「悪意の月」が誕生するのです。

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マグネパワーズ・レッドパワーズは現在・未来の新しい世界を描きながら、同時に過去の世界、別の世界の事象も「同じ類型」に収める、キーストーンなのです。

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