後編では特殊なメンバーがずらりと揃うサ~タ行ミクロマン達のキャラクター設定とその裏側に迫り、現代の秘境と呼ばれるレッドパワーズの複雑怪奇な顛末に潜ってみたいと思います。
サ行5人、タ行1人の計6人。
右から、サイバー、シャクネツ、スーパーサタケ、ゼット、ソロモン、ダーク。
このうちサイバーとシャクネツはレッドパワーズではありません。
「グレイ星第一王子、Mr.グレイのお目付け役」
彼はアニメにもマンガにも未登場ですが、ボンボンのグラビア記事では一応顔イラストが書き起こされ、「アーサー達とは異なる場所で活動していた」とされていました。ボンボンでイラスト化されたクラーク、ケイン、コナン、サイバーの画像については、著名なミクロマンコレクターであり研究家、指田氏のツイートをご参照下さい。
ミクロマンマシン「Mr.グレイ&パワータートル」に付属で、発売はノストラダムスの大予言が定める人類最後の時、「1999年7の月」。公式が設けた簡素なバイオグラフィーとは裏腹に、謎また謎の特殊な存在であり、平成ミクロマンをニューミクロマン、マイクロノーツにまで関与が及ぶ全く異なる世界へと導く特異点であります。
「アーサーに師事するマグネパワーズの候補生」
コミックボンボンの読者参加企画により生み出された誌上限定販売アイテム。配布は99年10月頃で、マグネパワーズの商品ラインとレッドパワーズ開始の中間時期に挟まります。
松本久志先生によるコミックボンボン連載コミックにも登場。
ボンボン誌面ではグラビア記事のホストも務め、「ユーボーグ戦記」ではプレイヤーと一緒に行動するナビゲーションキャラクターになる予定があったという、読者の子供達に最も近いポジションのキャラクターですね。
実力、経験の不足を気合でカバーするトンパチ。マンガでの初登場時はなんと「アクロイヤーに操られた状態」というスットコドッコイ野郎でしたが、レッドパワーズではレーザーミクロマン、更にパーフェクトシャイニングテクターへと進化し、ミクロマン地球方面司令官に就任します。
左から候補生シャクネツ、トイざらす限定ミクロバイク同梱のレーザーシャクネツ、パーフェクトシャイニングテクター・シャイニングシャクネツ。
(シャイニングシャクネツ画像提供協力:レオナホビー氏)
読者により生み出され、読者と共に成長してゆく。平成ミクロマン影の主役です。
参考記事:「灼熱の候補生」(ooku氏による記事)
では、いよいよレッドパワーズミクロマンの登場です。
マグネパワーズのアニメ、コミック連載が終了すると、すぐに新しいミクロマン、レッドパワーズが発表され、99年末には第一弾の玩具も発売されます。
レッドパワーズはマグネパワーズの15年後の世界、つまり当時時点での近未来が舞台となります。この記事も本当はレッドパワーズ登場の記念イヤー、2015年に公表の予定でした(爆)
マグネパワーズはビーストウォーズと共にノストラダムスの大予言を打ち破り、旧タカラSFランドは歴史的な決着が付きました。
続くレッドパワーズは戦うべき相手、自らの存在する理由を、何に求めたのでしょうか。
玩具封入パンフレット
アニメは無いのになぜか「スタジオぴえろ」がクレジットされている不思議。
ボンボン連載マンガも2000年2月号よりスタート。
マグネパワーズのストーリー展開は「アニメ」、「マンガ」、「玩具グラビア」の3つがそれぞれ別の世界として進行するパラレルな展開だったのですが、レッドパワーズはそれぞれの世界が統合され、どの媒体でも「一つのレッドパワーズ世界」を描いているのが重要な特徴となります。
レッドパワーズストーリー概要
<レッドパワーズ誕生編>
アンゴルモアを倒し、世界は表面的に平和な15年を過ごすが、銀河の中心部ではミクロマンとアクロイヤーの戦闘が佳境を迎える。騎士ビートルーパーズに両断された総統アクロイヤーは地球に逃亡し、レッドジウムを強奪してジギルス、ハイドル二人の総統として復活する。一方地球では世界各地の遺跡から行方不明となっていたマグネパワーズミクロマン達が続々と発見されるが、ダメージの深いアーサーだけは意識が戻らない。科学者として成長した久磁耕平博士は自ら開発した超エネルギー、レッドジウムをアーサーに移植し、蘇生に成功。佐竹博士の開発したクローンミクロマン、スーパーサタケも仲間に加わり、新たなミクロマン、レッドパワーズと総統アクロイヤーの戦いが始まった。
<ミクロボーイの秘密編>
ゼットより託された設計図を元に、レーザーエジソンはミクロボーイをロボットモードへと変形させることに成功。しかし戦況は総統アクロイヤーの圧倒的な力に危機を迎え、アーサー絶体絶命のその時、ゼットのソードパープルがアクロイヤーに特攻!アーサーはゼットの遺志を受け継ぎ、形見のゴールドアーメットを装着してレーザーゼットアーサーとなり、ゼットの愛機ソードパープルを駆る。
<マスターミクロマン伝説編>
全ミクロマンの中でも二人しか存在しない「マスター」の称号を持つミクロマンの英雄、それがゼットとソロモンである。ソロモンは長い探索の末、ついにレッドジウムプライムを発見し、自らの体内へと移植。地球のレッドジウムを狙い動き出した宇宙のアクロイヤーの脅威を知らせるべく、地球に向かう。
ゼットはアクロイヤーに特攻して爆死したと思われた。しかし久磁博士の手により最後のレッドジウムを移植されて復活に成功する。レーザーゼットの誕生だ!
<ミクロマン・ダーク誕生編>(コミックボンボン版コミック)
久磁博士はアクロイヤーに洗脳されて悪の科学者ダークKとなり、悪の人造ミクロマン、ダークを作り出す。アーサー達はコピーされたアーサーの能力と久磁博士の顔を持つダークに戸惑いを隠せない。小学校の教師でもある久磁博士の教え子ら、5人の子供達に危機が訪れたその瞬間、子供達の心とレッドジウムが共鳴し、5人のミクロマンのブレストに新たな光が輝き始める。
<機密作戦M編>
ミクロマン達は新たな光を得てシークレットブレストへとフォームチェンジした。さらにアーサーは数々の厳しいテストを経てソロモンに認められ、マスターミクロマンの称号と新たな姿を手に入れ、シャクネツもレッドパワーズへと進化する。一方、アクロイヤー陣営も、ソロモンを追って地球に飛来した最強アクロイヤー、総統ゼノンとマシンアクロイヤー・シャドウを迎えて戦力が増大。久磁博士がおもちゃのバイクを改造して造り出したミクロバイクの完成を契機としてアクロイヤーの秘密基地を叩く「機密作戦M」が開始される。決戦の切り札ミクロトレーラーは、果たして作戦に間に合うのだろうか?
<シャイニングテクター編>(玩具付属コミック)
ミクロマン達はミクロベルトを装着して最終形態シャイニングフォームとなるが、ゼノン、シャドウの殲滅作戦により全滅の危機を迎える。パーフェクトシャイニングテクターをアーサー達に届けるため、シャイニングシャクネツ、シャイニングゼット、シャイニングソロモンが走る。そして遂にミクロロケットベースにて、シャイニングアーサーとジギルス、ハイドルとの最終決戦が始まる!
マイクロノーツの呪縛から開放され、ようやくフリーハンドを得たレッパでしたが、アニメ無しの展開が敬遠されたのかマグパ売上げ不振のダメージが残っていたのか、一般玩具小売店での扱いは小さく、モノの出回りも非常に少なくなってしまいました。トイざらす限定アイテムも多く出されましたが、正直ざらす以外でレッパを取り扱う店なぞこの頃にはほとんど無く、一般売りだろうが限定だろうが弾数には大差無しというのが実情で、むしろ現在ではざらす限定品より一般販売商品の方が入手が難しいとさえ言えます。
また、頼みの綱のボンボンマンガ連載も、2000年2月から8月までのなんと6回で終了。内訳は第一話、ロボットマンバロンが悪になる第二話、ダーク編を三話挟んで次が単発エピソードの最終話という、まごう事無き男坂!
話数がハンパなせいかレッパは単行本化もされていません。
マンガ連載では中期展開のマスターミクロマンやシークレットブレストどころかミクロバイクにすら触れられず、マンガ終了以降はボンボンのグラビア記事と玩具付属文芸のみで物語は細々と継続してゆきます。
資料提供:ooku氏(ooku氏のNORユニバース設定)
アニメで華々しくスタートし、夢にまで見た映画公開まで実現させたマグパに対し、児童誌掲載のマンガとグラビア、玩具付属文芸といった紙媒体のみで展開されたレッパ。
これはあくまで偶然ですが、昭和ミクロ時代の連載コミック→グラビア展開→玩具付属コミック(ドクターヒドラーの陰謀)と徐々に先細りしていった昭和ミクロマンと全く同じ状態に戻ってしまっており、こんなところでも「気が付いたら昔に戻ってた」という、タカラ伝統の過去回帰芸風が炸裂してしまっています。
エジソンがいねーじゃねーか!スーパーサタケって何だ!?なめとんのか!!どうなってんだコラーッ!!
レーザーエジソンはミクロボーイ・ブルーガン(2980円)との同梱。アニメ版マグネパワーズの最終回では最後にレーザーミクロマンとなったアーサー達の姿も映るのですが、ミクロボーイの発売は第一弾よりも少し遅れたためか、そこにもエジソンの姿は無かったのでした。以降レッパのエジソンは全て高額商品との抱き合わせに。祟るぞ。
そして新キャラも登場して行くのですが、マグパ時期では繋がりが薄かった名前の元モチーフと性格設計が深く影響し合っていたり、名前の引用も名前そのものをズバリと引っ張る形から、比喩的、二次的な引用が用いられるといった、様々な変化が見られます。
そしてキャラクターの性格設定には、今まではどちらかと言うと敬遠されて来たタカラ外ヒーローの特徴が多く盛り込まれているのが特徴です。
「高名なカラテカでありおもちゃ博士、佐竹雅昭博士の造り出したクローンミクロマン」
バイオはツッ込みどころ満載のフザけたシロブツですが、レッドパワーズの正式メンバーとして登場した後、レッドカラテジウム(何だそりゃ?)を得てレーザーサタケに転生。玩具カタログではなんと第一弾から最終弾のミクロロケットベースまで堂々と掲載され続け、アーサーらと共にシリーズの最初から最後までを共に走り切ったキャラクターでもあります。
「カラテジウム」だの「おもちゃ博士」だの、(自分がオモチャなのに)趣味がフィギュア集めだの、一見とてもマトモには思えない設定ではありますが、実はスーパーサタケの誕生は人類・ミクロマン史における革命的な重大事件です。彼は人類が造り出す事に成功した「人造ミクロマン第一号」であり、久磁博士の作ったダークや、後のミクロマン200Xの父祖でもあるのです。
決して有名人接待枠では無いのであります、押忍ッ!
アーサーらが不在の15年間、一人密かに地球を守り、アクロイヤーの残党達と戦っていた「影のナイト」。最強ミクロマンであるマスターの称号を持つ英雄であり、ソロモンの友人、アーサーの兄でもある。
名前のモチーフは不明。ゼットなんて名前のヤツぁ人間にも神様にもいやしません(多分)が、その意味を考察するとなかなかに意味深です。
五十音ではなくアルファベットで配置をしたならば、アーサーの頭文字は「A」で、ゼットは「Z」。平成ミクロマンはアーサーに始まりゼットに終る。当初はそんな意図が込められていたのかもしれません。
ゼットのアニキと言えば何と言っても悲劇のミクロマン!何が悲劇って「一人15年間防人生活」とか「弟を庇って爆死」とか、それもまぁ泣かすっちゃぁ泣かす話ですが、なんていうか、扱いが悪いんですよ。
まず、兄さんの人形はオリジナルでは無く、ミクロボーイ・ソードパープル付属にした「レーザーゼットアーサー」のバリアントです。つまりアーサーの色換え商品なわけ。さらに頭部はドラゴンの頭がモチーフとなっているのですが、ドラゴン頭はレーザーウォルトとモロカブリですし、頭はドラゴンってよりも、なぜかジェット戦闘機が乗っかってるようにしか見えません。
(ゼットアーサー画像提供協力:レオナホビー氏)
いやこれ同じじゃないですかバカーッ!!と血の涙を流す前に、目をサラのようにしてよく見て欲しい。ホラ見えた!フトモモ横の●、レッドジウム下の凸の色が違うのであります。どうですか!いややっぱ変わんねーよこんちくしょー!!
せっかく生き返ってシングルパックで商品化されたものの、商品仕様は弟のお下がり。ソードパープルをもう買ってた人ならこんなリアル間違い探しをわざわざ買い足そうなんてあまり思わなかったんじゃないでしょうか。実際数の少ない商品にも関わらず相当後まで売れ残りダブつきの定番でした。
さらに悲劇は続き、「最後を飾るZ」なのかと思えばその後にソロモン、ダークが出てしまい、ダークに至っては「アーサーの能力をコピーしたミクロマン」なのに、型を狙い撃ちされたのはなぜか兄さん!結局ゼット型はレッドパワーズで一番多く使われた型となり、全部同型で色も似たり寄ったりのゼットアーサー、レーザーゼット、シャイニングゼット、ダーク、パワーダーク、シャイニングダークのどれがどれだかを見分ける事など達人を越えた達人王にしか叶いません。
最終形態シャイニングゼット。
アーサーに赤、ダークに黒・金という見栄えのしそうな色を取られてすっかり自分を見失ってしまった感じの謎な色に。購入後は速攻で五体をバラされ、カ行メンバーをレーザーミクロマンにするための改造素材にされてしまいます。
孤軍奮闘、戦死、復活など、ドラマティックなエピソードを多く持つのに、実に残念な事ですがマー印象が薄い。エジソンと兄さんは何かとガバガバなレッドパワーズの迷走を象徴するような存在となってしまいました。
しかし「ゼット」という名前のモチーフやアーメットのデザインの由来には、まだまだ気になる点があります。
「アニキ」でなおかつ「ゼット」といえば、もう水木一郎アニキ以外考えられません。そう考えると、黒光りするボディーカラーは鉄の城、専用武器の剣はマジンガーブレード、目出しの兜は剣鉄也のヘルメット、頭頂部に乗っかるデルタ翼のジェット戦闘機はブレーンコンドル。
名前こそZですが全体的にはグレートマジンガーですな。
また、孤独でハードで何かと悲劇な「影のナイト」からは、テッカマンの影響も伺えます。
裏の顔の下半分もテッカマンっぽく見えなくもありません。ゼットのアーメットがドラゴンモチーフなのも「竜の子」からでしょうか。
ちなみにテッカマンは後にタカラからミクロマンとしてリリースされます。
ダイナミックやタツノコというミクロマンとしてはいささか異色の記号には、若い年代の方々には違和感しか感じないかもしれません。しかし実はミクロマン、グレートマジンガー、テッカマンの三作は1974年~75年というほぼ同じ時代に始まり、子供達の心をワシ掴みにしていた、昭和40年男にとっての原点です。
1970年生まれである私の一番古いオモチャの記憶はブルーミクロマンとグレートマジンガー超合金で、一番古いレコードはガッチャマンとテッカマンでした。これは断言しても良いですが、ゼットの企画担当者は私と同年代に違いありません。
ゼットのアニキは昭和のハートにグッと来ます。そしてやはり、孤独に戦う姿が似合っています。
銀河評議会議員にしてアーサーらの師、ゼットの親友であるミクロマン・ソロモンは、母星ミクロアース24の崩壊後にレッドジウムプライム(天然レッドジウム)を求めて宇宙を放浪する。
ゼット、ソロモンの文芸展開はボンボンのグラビアと、玩具付属マンガで僅かに触れられる程度でした。
ボンボングラビア記事
シャイニングテクター付属コミック
(資料提供:ooku氏)
しかしイケてるルックス、アーサー達より更に大人びた貫禄は腐層を中心として地味に支持され、ウェブ上ではファン創作のSS等で大活躍をしていました。
左よりレーザーソロモン、パーフェクトシャイニングテクター・シャイニングソロモン
キャラクターの由来、モチーフについては少々複雑になります。
レッドパワーズは当初、タ行を占める新キャラクター、タケル、チェン、ツイスター、テリーが活躍する予定だったそうです。
同人誌「S.A.F ミクロマンブック」には平成ミクロマンのデザイナーである市川裕文氏によるイラストが掲載されています。
(参照ツイート:ミクロマン氏によるツイート)
ソロモンは元々、タケルとなる予定だったと言われています。
「タケル」のモチーフは恐らく日本武尊(ヤマトタケル)。しかし新主人公はアーサー達をサポートする偉い人ポジションに回されます。マスターミクロマンや銀河評議会設定からは、スターウォーズ新3部作のジェダイ描写の影響が伺えますな。
さて、ソロモンの名前モチーフは聖書に登場するイスラエルの伝説の魔法王です。ソロモン王は悪魔を使役し、封印したと伝えられるトンデモ王として有名ですが、マスターソロモン師匠にはそういったオカルティックな要素は見受けられません。
しかし師匠には、実は気が付かなくてもいいような大トンデモが隠されています。
ソロモン王は72柱の悪魔を封印した事で知られていますが、昭和時代のタイタン、フードマンら宇宙組、テレビ混線組、景品配布組を除く、地球復活ミクロマンも72体なのです。
これは意図したというより恐るべき偶然としか言いようがありませんが、ここを膨らませると「悪魔とされたミクロマン」という善悪逆転世界や、デビルマンを思わせるダイナミック世界への入口が開きます。
地球爆破の原因を作り、悪魔と呼ばれた全てのミクロマンを封印し、復活の鍵も握る男。ソロモンの力は巨大です。
ダークK(久磁耕平博士)が作り出したクローンミクロマン。耕平の顔とアーサーの能力を持つ。アクロイヤーに操られていたが、後にアクロイヤーを独自に狩るハンターとなる。ミクロマンとは敵でも味方でもない、独立した存在。
左よりミクロボーイ・ダークセイバー同梱のレーザーダーク、パーフェクトシャイニングテクター・シャイニングダーク。他に抽選景品のダークトレーラー付属、パワーダークが存在します。
ダークは一般売りの無かった特殊なミクロマンです。特にトイざらすとの関わりが深く、作品世界でもボンボン連載版で爆死したと思われた後、実はトイざらすに居候をしていたという公式な描写が存在します。
ダークの協力者、ざらす社員の山田さんと丸山さん(笑)
ダークの名前もマグネパワーズのアーデンダークとカブッており、レッパのgzgzを象徴する印象の一人ではあります。しかし実は、この命名にも重要な意味が仮託されており、名前、色、型、物語での立ち位置と、「ダークはダークでなければいけなかった」という製作者の強い意志の元に造られているキャラクターです。
ダークの元モチーフは「人造人間キカイダー」に登場した、ハカイダーです。
ハカイダーの所属はダーク破壊部隊。キカイダーらを作った光明寺博士がダークに洗脳されて作ったキカイダーの弟に当たり、その頭部には人質としての光明寺博士の脳をサラしてキカイダーらをビビらせ、ダークを裏切って一度死にます。
ミクロマンで光明寺博士のポジとなるのが耕平博士。アーサーをコピーして後に誕生した弟に相当し、人質としての脳の代わりに博士の顔でアーサーらをビビらせ、アクロイヤーを裏切って一度死ぬのです。文句の付けようがありませんね。
型がアーサーではなくゼット型となったので、ゼット(イチロー・ゼロワン)、ゼットアーサー(ジロー・キカイダー)、ダーク(サブロー・ハカイダー)と、三兄弟が同型で揃いました。
この話をツイッターでooku氏と雑談した際、二人同時に「ギルハカイダーにならなくて良かったよね」とつぶやいてしまい笑ったのですが、ギルハカイダーとハカイダー四人衆はアクロイヤー総統四人衆へと受け継がれたように思います。ゼノン(黄色・ギルハカイダー)、ジギルス(赤・レッドハカイダー)、ハイドル(青・ブルーハカイダー)、シャドウ(銀・シルバーハカイダー)ですね。
ソロモンが永井、ゼットが石森なので、あとは横山と手塚があればパーフェクトだったよね。と私が言うと、ooku氏曰く「シャクネツが火の鳥」との事でした(笑)
2001年の元日に発売されたトイざらす限定商品、「パーフェクトシャイニングテクター・ダーク」を最後として、レッドパワーズ展開は終了します。マグネとレッド、いわゆる「平成ミクロマン」は旧世紀の最後を看取り、21世紀の開幕と同時に、ひそやかに幕を閉じるのです。
「ミクロ粒子反応有り!破壊!!」、「くそぅ、バルジオンさえあれば…」というイメージで一枚。
さて、こうしてレッパは一年間の商品展開をなんとかやり遂げたのですが、その展開の特徴を一言で現すと「迷走」です。
シークレットブレストの開始前には担当者(実写版プロフェッサーK氏?)が社を去ったとも言われ、かつて悪魔的な巧妙さを誇ったシリーズ構成も、混乱、破綻、迷走の海に漂い始めます。
玩具は最初のレッドパワーズ素体とミクロボーイこそ新規設計だったものの、それ以降はひたすらリペイント、リデコの嵐!
トランスフォーマーG1のマイクロマスター、アクションマスター、G2の旧作玩具から型を引っ張り出すのはイイとして、直前のマグネパワーズでは新規玩具の連発だった上、レッパ同時期のTFは超絶玩具続出のカーロボットだったんですから、それらと比べてレッパがショッパく見えるのは否めません。
また、ミクロマンの人形もフォームチェンジと称する色換え、小幅改造の連発、連発、また連発!バカ正直に出る玩具を全部買ったとしても集るのはいつものメンツの色違いばかりで、パワーアップを繰り返し続けた末に残されるのは型落ち旧フォームの山。まぁフォームチェンジ問題はマグパの頃からそうっちゃそうでしたけど、レッパでは殊更顕著で悲しくなります。
ミクロアーサー基地
基地やビークルを買い揃え、人形の数が増えたとしても、大量の同一人物、格落ちした旧フォームの玩具を並べて喜ぶ程、子供だってチョロく無いでしょうに…
しかしこういったgzgzの数々も、本来はそれなりの意図を持っていたと思うのです。
キャラクターの数を絞って同キャラクターを色換えで商品化する手法はモロに昭和のニューミクロマンですし、「携帯ゲーム機」が変形するミクロボーイは「携帯ラジカセ」が変形するミクロチェンジシリーズ、「カセットマン」のリメイクです。
ミクロボーイのゲーム機モードにはゲームカセットの挿入口に相当するスペースが開いています。
恐らく当初はここに小型ロボに変形するゲームカセットが差さるはずだったに違いありません。
しかし変形カセットはウワサのカケラも聞こえませんでした。平成ミクロ初搭載の電動ギミックも中途半端で遊びに乏しく、ミクロボーイの全体的な練り込み不足、熱量の乏しさはシリーズの先行きに影を落とします。
ミクロバイクもニューミクロの変形バイクロボ、「ミクロライダー」の再現です。アーサー、ウォルトの赤青カラーも昭和ミクロライダーのバリエーションをイメージさせます。
「子供のおもちゃを改造した変形メカニック」というリアルギア設定も、ニューミクロの「ミクロロボットCAR」と全く同じです。
意図不明のクソダサ色、不人気ミクロマンNo.1だったシークレットブレストと、ざらす限定のスーパーロボットマンの正体はニューミクロマン時代のリアルタイプカラー。
大型ビークルと基地玩具のミクロトレーラー、ミクロロケットベースはトランスフォーマーのアクションマスターとマイクロマスターからの転用。
これは一見「ミクロマンが苦し紛れにTF玩具を拝借した」ような、新規玩具を出す体力を失った末期症状にも見えてしまいます。
しかしそもそもアクションマスター、マイクロマスターは「ミニフィギュア+ビークル・基地遊び」というシステムを持つ、「ミクロマン遊びに回帰したTF」ですし、本来TF玩具はミクロマン玩具の転生であったという経緯を踏まえると、かつてミクロマンから流出したTFがミクロマンの元に返ってきたと解釈する方が、ミクロ者のハートには響きます。
シャイニングテクターではユーボーグでフォローできなかったニューミクロの「強化スーツ」までようやく行き着きます。青息吐息のレッドパワーズでしたが、それでも僅かに残されたギリギリの力で「平成のニューミクロマン」としての矜持を貫き通したのです。
さて、皆さんはレッドパワーズがなぜ15年後という世界を描いたのか、考えた事がありますでしょうか。
マグネパワーズのファンだった子供達にとって、この間まで自分とタメの耕平や裕太らが突然オトナになってしまう。今を描いていた物語が、突如として今とどう変わったのかもよくわからない微妙に未来になってしまう。ドラマツルギーとしてはいささか観客の理解にムリを強いる展開だと思えます。
マグネパワーズとは、我々昭和ミクロマン世代の大人(片貝あきら)が、平成の子供達(耕平、裕太ら)へとミクロマンを継承してゆく物語でした。そしてレッドパワーズではその15年後、つまり「99年の子供達」が大人となった時に、昭和の大人達がそうしたように、その時の子供達にミクロマンを伝えて欲しい。そんなメッセージがあったと思えてなりません。
平成ミクロマンとは俺達とあなた達、そして、これからの子供達を繋ぐ物語だったのです。
地球成層圏の大水晶体は再び振動を始めました。ミクロマンを新しい子供達へと伝える時が、今こそやって来たのです。
ーー
記事作成にご協力を頂きましたooku氏、レオナホビー氏、畝傍@無色の幻影氏、ツイッターフォロワーの皆様方、そして読者の皆様方に感謝をいたします。
スペクトルMXと共にあれ。